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自己破産すると仕事は辞めなければなりませんか。
自己破産をしても仕事は続けられます。もっとも、破産手続中に限り、警備員など一定の業務には従事できなくなります。
職業制限、資格制限に該当する場合
自己破産手続中(破産手続開始決定から免責許可決定確定まで。)、一定の職業、資格は制限されます。
職業、資格制限に該当する業務に従事している場合には、破産手続中はその業務に従事できません。
具体的には、以下の職業、資格は破産手続中は制限されます。
・警備員(警備業法第3条第1号)
・保険外交員(保険業法第279条第1項第1号。登録拒否事由。)
・質屋を営む者(質屋営業法第3条第1項第6号)
・旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者(旅行業法第6条第1項第5号)
・旅行サービス手配業を営もうとする者(旅行業法第26条第1項第3号)
・建設業を営もうとする者(建設業法第8条第1号)
・一般廃棄物処理業者(廃棄物処理法第7条第5項第4号ロ)
・調教師(競馬法施行規則第22条(1))
・騎手(競馬法施行規則第22条(1))
・宅地建物取引士(宅地建物取引業法第18条第1項第2号。)
・行政書士(行政書士法第2条の2第2号)
・司法書士(司法書士法第5条第3号)
・税理士(税理士法第4条第2号)
・公認会計士(公認会計士法第4条第4号)
・不動産鑑定士(不動産の鑑定評価に関する法律第16条第2号)
・土地家屋調査士
・社会保険労務士
・取締役(但し、欠格事由でなく、退任事由のため、破産手続中でも再任可。)
など。
職業、資格制限に該当する場合の対応
職業制限、資格制限に該当する場合には、自己破産申立てに先立ち退職するか、自己破産申立てをする旨を伝えた上で、雇用し続けてもらうよう交渉する(自己破産手続中は配置転換してもらう、休職扱いにしてもらうなど)かが考えられます。
もっとも、継続雇用については現実に応じてもらえるかは難しい場合が多いと思われます。
職業制限、資格制限に該当しない場合
勤務先に自己破産がわかるか。
勤務先に借り入れがある場合を除いて、勤務先が自己破産を知ることは考えにくいといえます。
勤務先に自己破産を伝える必要があるか。
基本的にはないと考えられます。
勤務先を辞める必要があるか。
基本的に辞める必要はないと考えられます。
自己破産を理由に勤務先を解雇される場合はあるか
勤務先の就業規則の記載内容と担当する業務内容によると考えられます。
自己破産を理由に解雇できるケースは多くないと思われます。
もっとも、他人のお金を預かる業務など、業務内容によっては、就業規則に解雇事由として自己破産が規定されていることも考えられますし、個別の事案で勤務態度等を勘案して解雇が有効になることも考えられます。